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患者が少なく、需要も少ないために
「誰にも開発されない薬」が世の中にはあります。
発病率2000人に1人以下の、こうした薬は
オーファン・ドラッグ(orphan drug=みなしご薬)とよばれます。
例えば、生まれた時から呼吸ができない赤ちゃんがいます。
これは、肺を膨らみやすくするサーファクタントという物質が充分にないためです。
その数は日本では毎年4000〜5000人と言われています。
生まれた瞬間から、呼吸ができないということは、
すなわち死を意味します。たとえ命が助かったとしても
従来の治療法では、なんらかの後遺症が残ってしまうことが多かったのです。
私たちが、サーファクタントを補うことができる
オーファン・ドラッグ「サーファクテン」を開発するまでは、
実際には世界で初めての、前例のない研究のため、開発は困難をきわめました。
「一刻でも早く作り上げてほしい」と、多くの医療機関や
学会や海外からも希望が寄せられ、臨床試験では多くの医師が自ら参加、
いかに待たされていた薬かを痛感しました。
完成した薬の薬価は1回分で13万1842円
(発売当時薬価。現在は13万5400円)。
それでもこれはほとんど利益のない薬、儲けのない価格です。
サーファクテンは、牛の肺からほとんど手作りで作り上げるため、
どうしてもコストがかさんでしまうのです。
これだけの価格になっても、作る意味が本当にあるのか、
私達も悩みました。しかし、その疑問もやがて吹き飛びました。
死を目前にした赤ちゃんの、サーファクテンを使った瞬間を見たからです。
酸素不足で紫色になっていた顔がみるみるとピンク色になり、
「生きること」を間近に見たのです。
そこには私たちの原点がありました。
経済的な価値よりも、生命のほうを大切にしようという基本です。
「誰にも開発されない薬」は「誰かに開発されたい薬」でもあります。
そして、こうした薬を開発してきた私たちは、
東京田辺という会社に少しばかりの自信を持っています。
--------------------------------- 「東京田辺製薬・事業案内」より抜粋
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